障害年金の条件は?

病気やけがなどで障害が生じたときに支給されるのが「障害年金」ですが、障害があれば誰でももらえるというわけではありません。

障害年金が受給できるのは、次の三つの条件(受給要件といいます)を全て満たしている場合に限ります。

受給要件

  • ①初診日の要件
  • ②保険料の納付要件
  • ③障害認定日の要件

初診日の要件

障害年金の請求における「初診日」とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師や歯科医師の診療を受けた日です。

初診日を特定することは、障害年金の請求においてとても重要で、受け取ることができる障害年金の種類や金額は、この初診日に加入していた年金制度で決まります。

平成27年10月から初診日を確認する方法が緩和されましたので、初診日をお忘れになっている方もご相談ください。

初診日の具体例

  • 初めて診療を受けた日
  • 同一傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
  • 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診察を受けた日
  • 健康診断により異常が発見され、療養に関する指示を受けた場合は、健康診断の日
  • 誤診の場合であっても正確な傷病名が確定した日ではなく、誤診をした医師等の診療を受けた日
  • じん肺症(じん肺結核を含む)については、じん肺と診断された日
  • 障がいの原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日
  • 先天性疾患の場合、症状が発現せず、医師の診察を受けることもなく推移したときは、症状が発現して実際に診察を受けた日

保険料の納付要件

初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち3分の2以上の期間が以下のいずれかを満たしていることが必要です

  • 保険料を納めた期間(第3号被保険者期間も含む)
  • 保険料を免除された期間
  • 学生納付特例又は若年者納付猶予の対象期間

ただし、上記の要件を満たせなくとも、2026年(令和8年)4月1日前に初診日のある障害(初診日において65歳末満の人に限ります)については、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がない場合は、保険料納付要件を満たしたものとされます。

なお、被保険者でない20歳前の傷病により障害の状態になった方については、保険料納付要件は問われません。

障害認定日の要件

「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日のことをいい、初診日から起算して1年6ケ月経過した日、あるいは1年6カ月以内にその傷病が治癒した場合はその治った日(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)をいいます。

ただし初診日から起算して1年6ヶ月を経過する前に障害認定日とする特例があります。

障害認定日の特例

  • 人工透析をしている場合・・・人工透析開始から3ヶ月を経過した日
  • 心臓ペースメーカーや人工弁を装着した場合・・・装着した日
  • 人工膀胱、人工関節を造設した場合・・・造設した日
  • 手足の切断の場合・・・切断された日
  • 咽頭全摘出した場合…全摘出日
  • 脳血管障害による運動機能障害の場合・・・初診日から6ヶ月以上経過し、医師が症状固定と判断した日
  • 在宅酸素療法を行っている場合…在宅酸素療法を開始した日

障害認定日において一定の障害の状態に該当しなかった場合であっても、65歳に達する日の前日までの間に該当するに至った場合は、事後重症による請求が可能となります。

障害認定日において障害年金が支給される障害の程度とは

障害年金が支給される「障害の程度」は、「国民年金法施行令」および「厚生年金保険法施行令」によって障害等級(1~3級)の基準が定められています。

※身体障害者手帳の等級とは異なります。

障害等級 法律による定義 具体的には
1級 身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。
2級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
3級 傷病が治らないで、労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの 労働が著しい制限を受ける、または、労働に制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活には、ほとんど支障はないが労働については制限がある方が3級に相当します。
障害手当金 傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの  
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